2025年の参院選をきっかけに、日本でもにわかに議論が沸騰しはじめた「移民問題」。日本にとって近年の外国人の増加は紛れもなく新しい社会現象である一方で、この新しい現象を理解するための基本的なリテラシーがこの社会にほとんど共有されてい ...
現代アジアを研究対象とした社会科学の良書を選ぶ「樫山純三賞」をオンワード樫山の創業者が始めた樫山奨学財団が主催している。学術書と一般書が対象。アパレル企業ゆかりの財団が学術・出版の賞を運営する理由とは。
日本近世史家による(1)は、豊臣秀吉・秀頼2代の栄枯盛衰を女性たちの目線から描きなおす。秀吉の妻(寧や茶々)について俗説を排するだけではなく、ほとんど知られてこなかった姉妹や養女、奥女中たちの存在も丁寧に掘り起こしている。「妻」の地位から脱落したのを ...
こと文学に関していえば、杜(もり)の都仙台は青春小説の街である。それも青春を謳歌(おうか)するのではなく、悩み考えるタイプの若者たちの。 佐伯一麦(かずみ)の三島由紀夫賞受賞作『ア・ルース・ボーイ』(1991年/小学館P+D ...
時は明治。駆け出しの物書き・綿貫征四郎は、早世した親友の実家に「家守」として住むことになる。和風の庭には池があり、瓦屋根の二階屋にはいい風が入る。本書を読み進めるうち、私も外と内が溶け合ったその家の空気に包まれているような感覚を覚え ...
少女たちの心にきらめきを与えてきた少女漫画誌「週刊マーガレット」と「別冊マーガレット」をモデルに、大島真寿美さんは「うまれたての星」(集英社)を書き上げた。1960年代末から70年代初頭の、編集部と少女たちの熱を閉じ込めた大河長編だ。
俳優とは、いったん自分のなかにすべてを落とし込み、心身の回路を通したうえで感情やしぐさや言葉を表現する職業だとすれば、本書で描かれるフィンランドの大小の断片は、片桐はいりという異能の役者をプリズムとして放たれる光彩。読者は、気づけば舞台の最前列で役者 ...
主人公は、超人気大御所少女漫画家のアシスタントを務めるナミ(51)。同世代のハル、ネルとともに30年にわたって作品づくりを支えてきた。ところが、先生がまさかの引退表明。五十路(いそじ)をすぎて路頭に迷う羽目になる。そこで偶然見つけた求人に、前職を隠し ...
世代を超えて読み継がれている名作ファンタジー「ゲド戦記」。作者没後に公表された最後のエピソード『火明かり』日本語版が出版されました。シリーズ1巻から翻訳を手掛けてきた清水真砂子さんに、「ゲド戦記」とともに歩んだ翻訳家人生を振り返っても ...
『ペンギンホテル』は、本文に書かれていない物語、部屋ごとのストーリーを想像して読んでもらうと、お話により広がりが生まれると思います。前に、お子さんから「サンタのトナカイだけ外にいるのがかわいそう」という感想がありました。部屋が狭いからトナカイは外でも ...
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